せんねん灸セルフケアサポーター・日本不妊カウンセリング学会会員
手の太陰肺経「尺沢」
尺沢(しゃくたく)
古人は、手関節から肘までを1尺とし、前腕部を「尺」と称し、「沢」は、沼沢のことであり、低い凹地を差しています。
このツボは、その位置的特徴から、「尺沢」と命名されました。
尺沢は肺の合穴(ごうけつ)で、五行の水に属します。
合穴とは、経気が入るところで、主治(主な効能)は逆気而泄(ぎゃっきじせつ=のぼせた気をもらす)になります。
ツボの位置は、手のひらを上にし、肘を曲げたときにできる肘の横紋上で、上腕二頭筋腱の親指側にあります。
このツボは、
- 理肺(肺を調節する)の要穴(重要なツボ)であるため、各種肺疾患の治療に常用されています。
- 肺の経絡は、中焦(ヘソからみぞおちまで)より起こるため、脾胃の病症を治療する作用があります。
ツボの作用として
- 本経の循行部(肩や上腕または肘)の痛みや腫れ、麻痺などに使用されることがあります。
- のどの腫れや痛みなどの「頭顔面部・五官の病症」に使用されることがあります。
- 臓腑の病症として、咳嗽・喘息(呼吸器系)や嘔吐・下痢(消化器系)、尿失禁や閉経(泌尿生殖器系)等に使用されることがあります。
「尺沢」は、重要なツボのひとつで、様々な作用を示しますが、多くの文献(漢方概論<経穴編>、はり入門、東洋医学<経穴編>、鍼灸実用経穴学、鍼灸治療基礎学・・・)で、咳嗽(せき)の特効穴として記されています。
せきが止まらない時に使用したいツボの一つです。
コメントをお書きください