せんねん灸セルフケアサポーター・日本不妊カウンセリング学会会員
東洋医学の「肝」の働き
東洋医学の「肝」の生理作用
現代医学の「肝臓」の働きと、東洋医学の「肝」の働きは、異なるところが多いです。
現代医学の「肝臓」の主な働きは、1.タンパクの合成と栄養の貯蔵、2.有害物質の解毒と分解、3.食べ物の消化に必要な胆汁の合成と分泌です。
いっぽう、東洋医学の「肝」の働きは、
- 血を蔵す
- 疏泄を主る
- 筋を主る
- 目に開竅する
- 表裏は胆
- 肝の華は爪
となっております。
1.「血を蔵す」とは、血を貯めておくことで、その血を、目や筋に送っています。
2.「疏泄を主る」とは、
i)気機の調節(気の流れを調節すること)
ii)情志の調節(感情のコントロール)
iii)脾胃の運化の補助(胃腸の働きをサポート)
の事を言います。
3.「筋を主る」とは、筋肉を管理して、関節運動が円滑に行えるようにしている事です。
4.「目に開竅する」とは、肝が目とつながっている事を指します。
5.「表裏は胆」とは、肝の病は胆にも波及することを意味します。
6.「肝の華は爪」とは、肝によって爪は栄養を与えられると同時に、その生成のもとは肝の働きにあると言われています。
東洋医学の「肝」の病理作用
1.「血を蔵す」ことが出来なと、目や筋に血を送ることが出来ないので、目のかすみ、視力低下、筋の痙攣・痺れなどが起こります。
2.「疏泄」が出来なかったら、
i)気の流れが滞り、胸が苦しくなったり、ため息が出たり、おならが出やすくなったりします。このことを「気滞」と呼びます。
ii)感情のコントロールがきかなくなり、イライラしたり、怒りっぽくなったり、抑うつ状態になったり、判断力が低下したりします。
iii)胃腸のサポートが出来なくなり、食欲不振や下痢や腹痛をなどを起こしやすくなります。
3.「筋を主る」ことが出来ないと、筋肉がひきつれを起こし、痙攣や痺れが生じます。
4.「目に開竅する」することが出来ないと、目のかすみや、眼精疲労、視力低下、ドライアイ、目の充血、めまいにつながると言われています。
5.「表裏は胆」なので、肝の病は胆にも波及します。また、腎にも波及すると言われています(肝腎同源)。
6.「肝の華は爪」なので、肝の血が不足すると、爪が白くなったり変形したりします。
「肝」に属するツボは14個
肝は、東洋医学の「陰」と「陽」に分けると、「陰」に属します。
さらに「陰」を分けると、「太陰」、「少陰」、「厥陰」の3つになります。
肝は、足の「厥陰」に属していて、14個のツボを有します。
難しい話しになってしまいましたが、「肝」の性質を持ったツボが13
個あり、そのツボもそれぞれ特性を持っています。
今回は、ツボの特性の前に、ツボの名前を列挙します。
- 大敦(だいとん)
- 行間(こうかん)
- 太衝(たいしょう)
- 中封(ちゅうほう)
- 蠡溝(れいこう)
- 中都(ちゅうと)
- 膝関(しつかん)
- 曲泉(きょくせん)
- 陰包(いんぽう)
- 足五里(あしごり)
- 陰廉(いんれん)
- 急脈(きゅうみゃく)
- 章門(しょうもん)
- 期門(きもん)
肝に属するツボは少ないですが、色々なツボの特性があります。
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