せんねん灸セルフケアサポーター・日本不妊カウンセリング学会会員
WHOの調査では、不妊の原因が女性側のみにあるものが41%、男性側のみにあるものが24%、両方に原因があるものが24%、原因不明が11%と言われています。
すなわち、不妊の原因の48%は男性にもあると言われています。
男性側の主な原因は、精液の異常が多く、こちらもWHOが基準を出しており
となっています。
そのほかの男性不妊症の原因は、精巣の中で精子が生産されにくい「造精機能障害」、精子の通り道が塞がっている「精路通過障害」、性欲低下や勃起しない、射精出来ない等の「性機能障害」に大別されます。
男性不妊症の原因は、婦人科や泌尿器科で調べますが、上に書いたように主に「造精機能障害」、「精路通過障害」、「性機能障害」があります。
精巣の中で精子が正常に作られない障害です。
原因不明の場合が多いですが、以下の場合があります。
【精索静脈瘤】
男性不妊症の約3割を占める疾患です。
精巣から心臓に戻る静脈内の血液が逆流し、精巣の周りにこぶができてしまう状態です。
左側の陰嚢にこぶができることが圧倒的に多く、一般の成人男性の15%がなっています。
外科的治療が可能で、この静脈瘤の手術をすると、精液の濃度と運動率が、3か月後に改善がみられます。
このほかの造精機能障害として、脳下垂体疾患、停留精巣、精巣腫瘍などがあります。
大半の場合は「無精子症」になります。
無精子症とは、精液中に精子がないことを言い
場合があります。
こちらも外科的に精子の通り道の再建術を行うと、精液所見が正常化することがあります。
精液所見に異常はないが、精子が配偶者の生殖器官に到達できない場合を指します。
すなわち、勃起障害や射精障害、性欲低下等が挙げられます。
こちらは薬物治療(バイアグラ等)や心理療法が主となります。
造精機能障害や精路通過障害は、泌尿器科などで外科的処置が行われますが、鍼灸もサポートとして行うことが可能です。
性機能障害では、鍼灸でできることが多くあります。
エネルギーを補うツボや、栄養の吸収を高めるツボ、自律神経をととのえるツボなどを刺激し、体質の改善をはかります。
不妊症の治療は、奥様の孤独感や治療負担感など、男性には想像しがたいものがあります。
男性が協力することで、安心感や信頼感が生まれると、精神的な影響が大きいと思われます。
この、安心感や信頼感は、母体にとって非常に大切です。
男性は、精子の提供が済んだらお役御免ではありません。ともに協力していきましょう。
11月のお灸教室は、いつもと違い第二日曜日の11月10日(日)に行います。完全予約制のため、11月5日(火)までにご予約ください。