せんねん灸セルフケアサポーター・日本不妊カウンセリング学会会員
膀胱は、内面が柔らかく伸縮性のある粘膜でできた袋で、この粘膜が伸び縮みすることによって尿が溜められるようになっています。この膀胱が炎症を起こすのが「膀胱炎」です。
膀胱炎の多くは、細菌の炎症が原因で、大腸や直腸に潜んでいる大腸菌等が、尿道から侵入し、膀胱で増殖することによって起こります。
なお、女性の尿道は男性より短いため、女性の方が膀胱炎にかかりやすいです。
しかし、細菌の感染が無くても、膀胱炎を発症する場合があります。
すなわち、膀胱炎には原因によって、いくつかの種類があるということです。
【単純性膀胱炎】
一般的に膀胱炎といわれている、最も女性に多い膀胱炎です。
機能的・形質的に尿路の異常の無い人で、尿意を我慢したり、冷えやストレス、疲労が原因で起こります。
頻尿や排尿痛、残尿感などがあります。
【複雑性膀胱炎】
尿路に尿停滞、異物、持続的細菌源、あるいは全身的抵抗力の低下等の基礎疾患を有する慢性膀胱炎です。
複雑性膀胱炎は、これら基礎疾患を除去しなければ、感染症は治癒しないと言われています。そのため、基礎疾患の鑑別が重要です。
【間質性膀胱炎】
非細菌性で、原因不明の膀胱粘膜の萎縮をきたす疾患です。
膀胱は通常200mL~400mL尿が溜まると尿意を覚えますが、膀胱が萎縮により膨らまないため、100mL以下でいっぱいになります。
頻尿と切迫感が特徴的で、尿が溜まってくると下腹部に痛みを生じることもあります。
間質性膀胱炎は、細菌感染で起こる膀胱炎とは異なり、尿には異常がない「非細菌性萎縮性膀胱炎」です。
かつては比較的まれな病気と考えられていましたが、かつての想定を上回っており、約90%は成人女性で発生しています。
症状として、膀胱痛、頻尿、尿意亢進(尿意を強く感じる)等を呈します。
その病型は、「ハンナ型」と「非ハンナ型」とに大別され、ハンナ型間質性膀胱炎は、2015年に指定難病に指定されました。
このハンナ病変とは、正常の毛細血管構造を欠く特有の発赤粘膜で、病理学的には、しばしば上皮が剥離し、粘膜下組織の血管増生と炎症細胞の集簇がみられます。
間質性膀胱炎でなければ、医者から抗生物質が処方されます。
服用後3日ほどで症状が良くなります。
再発を繰り返さないためには、トイレは我慢しないようにしましょう。
水分を多く摂り、なるべくトイレに行き、尿と一緒に菌を外に出すようにしましょう。
また、身体の抵抗力・免疫力を下げないために、身体を冷やさないように心がけましょう。
間質性膀胱炎の場合、病因(病気の原因)も特定されておらず、根治的な治療法の確立には至っておりません。
医者での一般的な治療は、膀胱水圧拡張術等の外科的治療や、鎮痛薬・抗うつ薬・抗アレルギー薬等の内服治療があります。
鍼灸では、仙骨に刺激を加え、陰部神経や骨盤神経に影響を与えます。
また、ストレスの緩和、お灸による身体の冷えをとるなどを同時に行います。
11月のお灸教室は、いつもと違い第二日曜日の11月10日(日)に行います。完全予約制のため、11月5日(火)までにご予約ください。